音楽を表現するにおいて「リズム」はとても大切な要素です。
中でも「裏拍」は自分で意識して感じ取ることが必要であり、その特徴を良く理解して体で感じられるようになるとリズム感が格段に良くなります。
グルーヴ感やノリの良さを出したり、演奏の安定に繋がるキーポイントです。
裏拍を感じるとはどういうことなのか、どんな効果が期待できるのか、解説していきます。
裏拍とは?
リズムには表と裏があります。
表拍は聞こえた音がそのままリズムになるので、とてもわかりやすいです。
声に出して歌ってみたとき「1、2、3、4、」と感じるところですね。
一方、裏拍は自分で一定のリズムを取って感じるものであるため、わかりづらいです。
拍と拍の間にあり、「1(ト)2(ト)3(ト)4(ト)」とカウントするときの(ト)に当たる部分が裏拍になります。
日本人は裏拍が取りづらいと言われる理由
傾向として、という説ですが、日本人は裏拍が取りづらい民族だと言われています。
その理由は古来からの文化や生活習慣に起因すると考えられています。
日本特有の音楽(雅楽や民謡、演歌など)は基本的に表拍を強く感じるものです。
裏拍がないわけではありませんが、無意識に手拍子を打ってしまうと思います。
祭り囃子や盆踊りが典型的ですね。
また、農耕民族と言われていたこともあり、表拍を強く感じる動作が多い生活習慣を送っていました。
日本語も表(言葉の頭)を強調する傾向が強い言語文化です。
故に、日本人は裏拍を感じる習慣が文化的に弱いので、裏拍が苦手な人が多いのです。
学校の音楽の授業でも裏拍について教わることはあまりありませんね。
裏拍を感じることで得られるメリット
裏拍を感じられるようになると、どんな相乗効果があるのか、具体的な方法とメリットについて見ていきます。
①具体的な感じ方
例えば4拍子の曲の場合、表拍「1234」の間に裏拍「ト」を入れて歌ってみます。
「1ト2ト3ト4ト」というように2倍のリズムを刻みます。
4拍子なら8つ、3拍子なら6つでカウントします。
♩(四分音符)を♫(八分音符)で捉えるということです。
大きな拍を小さな(細かい)拍で刻むことで、表拍だけでは感じ取れない部分を自然と補うことができます。
②得られるメリット
- 自分でリズムを刻んでいくのでリズム感が鍛えられる
- リズム感覚が養われ、複雑なメロディーへの対応力が上がる
- 細かいリズムを刻むことで精度が上がり、演奏の安定感が増す
- 音楽の持つグルーヴ感を生み出しやすくなり、ノリが良くなる
拍にぴったりと当てはまることが必ずしも良いというわけではないのですが、総じて演奏が引き締まり、格段にレベルアップすることが期待できます。
裏拍を感じる練習方法
実際に裏拍を感じながら出来るオススメの練習方法を紹介します。
①メトロノームを裏で鳴らす
クリック音は通常なら表拍で鳴らすと思いますが、敢えて裏で鳴らして演奏してみます。
裏拍のタイミングが確実に耳に入ってきて、演奏がハマりやすくなります。
②裏を意識しながら音楽を聴く
細かいリズムを刻みながら聴いていきます。そうすると、音楽の持つ大きな流れや、小さな流れ、推進力のようなものが感じられてくると思います。
③裏のリズムだけを叩きながら歌ってみる
とても機械的な方法ですが裏を最も感じやすい方法です。
初めは難しいかもしれませんので、慣れるまではテンポを落として取り組んでみましょう。
確実に出来たら少しずつ目指すテンポに近づけていきます。
まとめ
いかがでしたか?
どんな音楽にも表拍と裏拍があります。
普段の練習から、聞こえてこない裏のリズムに耳を傾けるようにしてみましょう。
音楽の聞こえ方、感じ方が変わってくると思いますよ!