こんにちは! NAOです。
今回のお題は「暗譜」についてです。
楽器を弾いている人なら一度は暗譜での演奏を経験したことがあるでしょう。
先生に言われたから、発表会のステージで弾くから、音楽系の学校に通っている人だと試験で楽譜を見てはいけないことになっているから、など。
覚えないといけない状況はいろいろあるでしょう。
苦手なのにどうしても暗譜しないといけなくて必死に覚えた!という人もいるかもしれませんね。
普通にレッスンで弾くだけなら暗譜する必要はないのに、なぜ暗譜するのでしょうか。
すぐに暗譜ができる人はどうやってたくさん覚えてるの?と思いますよね。
はい。
意味があって目的があって暗譜しています。
闇雲に覚えているわけではないのです。
そして、自然にできる方法もあります。
効率良くできる暗譜のコツを、私自身の経験からお話していこうと思います。
暗譜することで演奏力もアップしちゃいますよ!
それでは、どうぞ!
自分から表現するために覚える
暗譜とは「楽譜を見ないで正しく演奏すること」です。
じゃあ何を覚えればいいのか、何のために暗譜するのか、という話です。
正直なところ、私は深く考えたことがありません。何も疑問に思わずやってきました。
練習しているうちに自然に出来ていたので、苦手意識を持たずにやっていたのです。
私が子供のころ習っていた先生にも「暗譜してきてね」とは言われましたが、やり方を教えてくれたことはありませんでしたし、どうやって暗譜しているか、仲間内で話題になったこともありません。
当時どのように暗譜を捉えていたか考えてみると、音楽の全体像をイメージとして頭に描き、五感すべてを使って音楽を覚えることをしていたように思います。
1曲を覚えるためには膨大な量の情報を頭の中に入れないといけません。
音楽を作り上げているすべての要素をインプットするので、丸暗記では対処しきれないのです。
そのため、練習しながら膨大な情報量を効率よく整理して吸収していく作業が必要になります。
平面化された音楽
(楽譜)
➡
筋道を立てて立体化
(練習・暗譜)
➡
音として具現化
(演奏)
練習する中で、このようなサイクルを滞ることなくやり続けるわけです。
意識したことはないかもしれませんが、この流れを自然にやっていた人や早く行える人は、暗譜が得意なはずです。
後のメリットでもふれますが、暗譜できている演奏は、その人が曲を良く理解しており、深く表現できているということです。
暗譜は音を追うだけの作業ではなく、自分から音楽を繰り出せるまで体に覚え込ませ、それを表現するためにおこなうものなのです。
暗譜するメリット
必ず暗譜しなければいけないものではないですが、暗譜できることによって得られるメリットがあります。
楽譜を見ないことによって目から入ってくる情報が少なくなるので、その分耳からの集中が増します。自分の演奏を良く聴くようになるのです。
演奏しながら自分がどんな音を出しているか注意深く聴くことで、細かいところまで気がつけるようになり、自然と楽譜の細部に目が届くようになります。ただ読むより見えてくるものが増えるのです。
だんだん頭に楽譜が入ってきて体に音楽が入っていく状態になると、演奏者の内側から音楽が湧き出るようになります。
みずから音楽を繰り出せる、深い表現につながっていくわけですね。
レッスンで指導していて、生徒さんが暗譜できるようになると演奏の質が変わってきます。
流れが良くなり、本人の耳が働いているのがわかるのです。
楽器を弾くというより、楽器を使って表現しているように聴こえてくるのです。
とても不思議な現象なのですが、演奏に推進力が生まれるのです。
この状態が自分から表現するということです。
自然に覚えられるポイント5選
自然に着実に暗譜するためには音の響き、指の動き、譜面の情報を一体化させて体に覚えこませることが大切です。
そしてこの3点がすべて揃っていることも重要になります。
暗譜が苦手だなと感じている方は次の5つのポイントを意識しながら取り組んでみてください。
①いつも同じ指使いで弾く
指の動きと音を一致させるために、いつも決まった指使いで弾くようにします。
練習する度に変わっていたり、途中から弾くときに違う指から始めてしまうケースがありませんか? 都度変わってしまうと、一致が図れずインプットするのが難しくなるので「いつも同じ形で」を意識しましょう。
②音を鳴らさず指だけ動かす
楽器を触らず、指の動きと合わせて頭の中で音をイメージします。指が曲を覚えているかを確かめます。
音が鳴らないところがあったら、そこは完全に覚え切れていない証拠です。
指運動だけになってしまっていて、本番で失敗しやすくなります。確実に音がイメージできるまで修正しましょう。
電源のある楽器はスイッチオフにして、それができない場合は机の上などでやるとよいでしょう。
③指を動かさずに頭の中で音を鳴らす
頭のなかで曲を歌えるか、耳が曲を覚えているかを確かめます。②の逆パターンです。
自分が演奏している姿や、楽器上の手の動きを想像しながらやりましょう。
④楽譜をイメージとして覚える
カメラで撮った写真のように、譜面全体を頭の中で描きます。
楽譜からの情報量は膨大なので、整理してインプットするにはうってつけです。
形や模様、絵のようにフラッシュ撮影してしまいましょう。
この方法ができると、記憶するスピードが上がって覚えやすくなりますよ。
⑤ときどき楽譜を見て弾く
覚えてしまうと楽譜を見なくなるケースが多いでしょう。暗譜できたと思っても、表現が乏しくなったり間違えたりしていないか、ときどき修正していくようにしましょう。
間違えたまま覚えてしまうのは意味がないので、本当に正しく記憶できているか確認することが大切です。
おわりに
いかがでしたか?
楽譜を覚えるために特別な力はいりません。
覚える意味、目的、方法を理解して気負わず取り組んでみてくださいね。
では!