楽器演奏がうまくなるための練習ヒント~心構えと実践~

練習

レッスンをしていると、生徒さんからこんな質問をされることがあります。

「楽器がうまく演奏できるようになるためには何が必要ですか?」

さて、皆さんならどう答えるでしょうか。

私だったら「練習です!」
ですね。

大前提として、練習しないとうまくならないからです。
とにかく練習あるのみ、なのです。

とはいっても、その練習を持続させるのが難しいところ。
時間もかかりますし、なかなか思い通りになんていかないですしね。

効率の良いやり方はあるのですが、残念ながら近道はありません。
魔法をかけたかのように突然うまくなることはないし、上達するための万人共通の方法もないのです。
やりながら自分に合った方法を見つけていくしかありません。
そして、それをひたすら繰り返す。

諦めず根気よく、という心構えが必要だと思います。
自分の経験上、そうすることが一番の近道で、確実に力がつく方法だったと感じています。

悩みながら練習と向き合っているあなたへ。

長年の指導経験から得た、演奏がうまくなるための練習について、その心構えと実践方法をご紹介します。

それでは、どうぞ!

押さえておきたい心構え

まずは、自身の心構えを整えましょう。

①小さな目標を作る

曲を練習するとき、「弾けるようにする」というゴールは見えています。
なので、ゴールにたどり着くまでの小さなプロセスを決めましょう。
何が必要かを考えて細分化します。通過点を決めるようなイメージです。

この時大切なのが、現実的に出来そうな目標を設定すること。
目標が小さければ小さいほど達成しやすくなるので、モチベーションも上がります。

1日1ページすすむ、〇小節目まで通して弾けるようにする、など、無理なく取り組めることを実践していくとよいでしょう。

②習慣化する

やる気になったらやる、思いついたらやる、ではなかなか前に進みません。
人はそんなに意思の強い生き物ではないです。

毎日10分は楽器に向かうとか、〇〇した後に必ず練習するとか、ルールを決めましょう。
初めは1週間から、そして1か月・・と徐々に期間を長くしていきます。

少しずつ続けていくと、いつしか変化を感じられるようになるはずです。
ルーティンになったらお手の物!

③すぐに結果を求めない

弾きたい気持ちが先走ると、つい早く良い結果を求めてしまいがちです。
ですが、そんなに即効性はないので、地道な反復練習を根気よく続けていくしかありません。
遠回りに感じても、それが一番の近道だったりします。
すぐに成果が表れなくても諦めないで、肩の力を抜いて気長に取り組みましょう。
意味のある練習を続けていれば、必ず結果はついてきます。

④楽しむ気持ちを持つ

モチベーションを保ち続けるためには、良いことも悪いことも受け止めて楽しむ!
日常生活と同じで良い事ばかりじゃありませんからね(笑)
うまくいかない自分を悲観せず、長い目でみてあげましょう。
楽しむ気持ちが辛い練習を乗り越える原動力です。

実践編

できることから少しずつ取り入れてみてください。

①良い演奏を聴く

上質なものをきくと気分が上がります。
こんな風に弾けたら素敵だなと思える、憧れの気持ちが自分を後押ししてくれます。
こう弾きたい!というイメージを持つこと、目指すゴールを描くことで、いつかたどり着けるようになるでしょう。

②良い演奏を真似する

良いと思ったものをそれっぽく真似してみる。
演奏されているフレーズをそのままコピーしてみる。
良いアイディアを取り入れて自分のものにしていきましょう。

③ゆっくり丁寧に弾く

早く出来るようになりたい気持ちはわかります。
でも焦りは禁物。
焦って適当に流して、その時は出来たように感じても、最終的には粗だらけということはよくある話です。

目と耳を使って確認しながら丁寧に、体に覚えさせていく感じでやってみましょう。
正しいものを反復することが大切です。
時間はかかりますが、丁寧なものが一番近道なのです。

④基礎練習をしよう

基礎練習をすると、しっかりとした土台を作ることに繋がります。
家を建てるのと同じで、盤石な土台(基礎練習)の上に家(うまい演奏)を建てないと倒れてしまいます。

ピアノならスケール・カデンツ、ハノンに代表される指練習。
ドラムならスティックのストローク練習。

それぞれの楽器に合わせて、初期にやる基礎的な訓練を怠らずやりましょう。
同じことを繰り返す練習は単調でつまらないものになりがちですが、これが侮れないほど重要なのです。
毎日とはいかなくても、曲を弾く前に少し取り入れてみてください。

⑤部分練習をする

間違えて途中で止まってしまったとき、皆さんはどうしていますか?
最初からやり直す? 何度も弾き直す?

どちらも効率の良いやり方とは言えません。

間違えたからといって初めからやり直しても、また同じところでつまづいてしまうはず。
時間もかかってしまい、とても効率が悪いです。

できないところを克服するために「そこだけ」を取り出して部分練習をしましょう。

気をつけたいことは3つ。

「前後の流れを考えて」「同じ指使いで」「ゆっくり丁寧に」です。

部分練習をしておくと、途中から弾く練習にもなるので、発表会などステージ上で演奏していて止まってしまったとき、自分で立て直すことができるようになります。

⑥自分の演奏を録音する

「自分の演奏を録音して客観的に聴く」ということは、自分で自分を分析するということです。

弾きながら聴いている音は、実は本当に自分が出している音ではないことが多々あります。
それだけ客観的に聴くということは難しいのです。

他人に何度同じことを言われてもなかなかわからないものですが、たった一度自分の演奏を聴くことで、霧が晴れたかのように合点がいくことがあります。

自分ではうまく演奏しているつもりだったのに意外とできていなかった、こんな音を出していたのか、とショックを受けることもあるかもしれませんが、自分を高める薬と思ってぜひチャレンジしてみましょう。

⑦理論や知識を学ぶ

一般的な音楽理論や楽器の知識など、できるだけたくさん吸収しましょう。
楽器を演奏するにあたって必要な音楽のルールは、最低限知っておきたいですね。

メリットとしては、音楽を聴いて理論的に分析できるようになり、楽譜を読む力がつきます。
覚えるのが楽になり、フレーズの引き出しが増えて演奏にも生かせるようになります。

まとめ

いかがでしたか?

練習は時間がかかるものです。
根気よく諦めない気持ちが何より大切です。

少しでも出来た!という達成感を味わうことが次へのエネルギーになっていきます。

私自身もまだまだ未熟で、もっと上達する希望があると思っているんです!

一緒にがんばっていきましょう!