こんにちは! NAOです。
今回の題材は「スケールとカデンツ」です。
テキストの後ろによく載っている、あのドリル的で単調な練習の繰り返し。
種類もたくさんあって、♯♭が増えるほど難しくなってきて、正直苦手~という人、けっこう多いです。
何のためにやっているのかを知らずに、先生に言われたから仕方なく練習しているという人もいるのではないでしょうか。
意味もわからずやっていたら好きになれないのは当然です。
そこで!
マスターするとどんな良い効果があるのか、を知れば、少しでも前向きに取り組めるのではないかと思い、今回の記事を書いてみました。
好きにはなれなくても、必要な練習だと思ってもらえたら嬉しいです。
では、一緒に勉強していきましょう!
スケールカデンツって何のこと?
まずは「スケール」「カデンツ」それぞれの意味を簡単におさらいしましょう。
「スケール」は音階のことです。7つの音を順番に並べたもので、ハ長調なら「ドレミファソラシド」となります。12の長調と12の短調あわせて24調あります。
「カデンツ」は和音進行の最小単位、型です。練習でよくやるパターンは基本となる3つの和音(主要三和音)を組み合わせたⅠ-Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰです。
どちらも音楽の基礎となるもので、曲の中にたくさん出てきます。
言い換えれば「音楽の素」です。
みなさんが練習している楽譜にも必ずあります。あっちにもこっちにも出てきます。
たくさん種類があり、一定のルールに則って系統化し整理したものを「〇調のスケールカデンツ」と呼んで譜面化しています。
私たちは普段それを練習しているのですね。
どうして練習するの?
目的
スケールカデンツは大事な要素なんだということはわかったけれど、そうは言っても練習は面倒くさくてつまらない。。。
なのに、なぜ練習するのでしょうか。
テキストに載っているから? 指の練習のため?
いえいえ違います。
ちゃんと目的があって、やっているんですよ。
大事な目的はこちら!
- それぞれの調が持つ固有音、主要三和音を覚えるため
- 自然な運指、和音を掴む手癖をつけるため
- 調性や響き、和音機能を理解するため
一通り弾くことによって、音楽の基本要素を整理しながら習得しているのです。
得られる効果
マスターすると、どんな良い効果があるのでしょうか。
日頃のレッスンや実体験で感じたことを挙げてみます。
①「ここは◯調のスケール」「これはカデンツパターン」など、演奏している曲の分析ができるようになります。曲の仕組みを理解するのが早くなるので、結果、譜読みも早くなります。
②繰り返し弾くことで自然な運指が身につきますから、曲を演奏するときも、それを考えながら自然と弾くようになります。複雑な指の機動にも対応できるようになっていきます。
③調性の理解があるので、♯♭を落とす確率が減ります。違う響きになったとき、自分で気がつくことが出来るのですね。譜読みの精度も上がります。
④音程感や和音機能の理解が深まることで、メロディーや和音を早く正しく理解して演奏できるようになります。作曲やアドリブ演奏において、フレーズの型を作るのに大いに役立ちます。
どれも演奏力の向上、そして理論知識の深まりに繋がる相乗効果が得られます。
スケールカデンツが出来るようになると良いことだらけですね!
練習のコツ
単調な繰り返しが苦手な人も、そんなに苦労なく弾けるという人も、練習するときに意識してほしいことがあります。
この意識があると、スケールカデンツを習得する本来の目的が充実していきます。
ポイントは次の3点です。
- 響きをよく聴く
- 体で覚えて頭で理解する
- ていねいに
ゆっくりでもよいので、正しい指使いで弾きましょう。
特に和音の掴み方は、いつも同じ形になるように気をつけたいです。
弾いた音を耳で聴いてわかるようにすることも大切です。どこに♯♭がつくのか、和音の響きやベースラインにも注目しましょう。
音階や和音の型とはいえ、曲と同じようにテンポや拍子があります。
流れを持って歌いながら弾くこと、生きたセンテンスとして体に染み込ませましょう。
おわりに
いかがでしたか?
少しでも前向きに取り組んでみようという気持ちになれたでしょうか。
即効性はなくても、曲を弾きながら「ちゃんと練習していて良かった」と思える瞬間が訪れると思います。
めげずに少しずつ取り組んでみてくださいね。